大きな事件は何ひとつ起こらないが、ふと立ち止まって振り返ったりする、何気ない仕草や佇まいが、しんとした冷たさをたたえつつも優しい。何より好ましいのは、誠実であること。
待望の長編だったが、時間的にどこまでを切り取るかの差で、基本姿勢は短編と同じ。良くも悪くも黙々と丹念に文字を積み上げていく職人気質なのが素晴らしい。国境を越えた親の世代と、二世として異国の地で生まれた世代の対比がくっきりと鮮やかで温かくも…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。