日日平安

再開しました

2004-10-04から1日間の記事一覧

 小川洋子 『沈黙博物館』 筑摩書房

おどろおどろしいイメージをしていたら、案外ライトで読みやすかった。さみしいような暖かいような、不思議な印象の物語。わりと面白かった。でもマニアックな博物館なのだし、もっとカリカリしていた方がいいかなあ。佐藤亜紀が同じ題材で書いたらすごそう……

 小川洋子 『貴婦人Aの蘇生』 朝日新聞社

思わずにんまりとしてしまう、楽しい読後感。アナスタシアとニコの、わが道をひたすらゆく姿が気持ちいい。ニコみたいなひとを恋人にしたいなあと思ったけれど、わたしには捕まえられないだろうなあ。

 小川洋子 『博士の愛した数式』 新潮社

小川氏の普段の作品と大きく違うわけではないのだけど、これだけ売れたというのはやはり老人と子ども、という図式にみんな弱いのだろうなあ。あ、というより、数学と記憶障害か…?。彼女の作品は常に愛が満ちていて、その姿勢が素晴らしいなあと思う。雑念が…

 小川洋子 『薬指の標本』 新潮社

収録作品:薬指の標本/六角形の部屋 表紙きれいー。フランスでオルガ主演で映画化されるそうだけど、むつかしそうだな。これはとにかくエロい。密室に香水が充満しているようなイメージ。匂い立つ色気、みたいな。モチーフが素敵すぎてやっぱり酔った。 ←今…