日日平安

再開しました

 多和田葉子

『容疑者の夜行列車』 青土社
主語が二人称なので、”あなた”とは一体何者なんだろうと気になるのだが、読み進めて行くとおぼろげに見えてくる。ある歌人の方が、最近のひと(若手の歌人)は「自分」→「宇宙」という視点は持っているのだけど、間の「世界」が抜けていると仰っていて、なるほどなと思う。それは歌人にかぎらないのかも。多和田葉子は「世界」に立つひとだ。で、”あなた”とは何かと必死にヒントを探し回ったのに、あれ、最後にちゃんと説明が(汗)。
容疑者の夜行列車

『犬婿入り』 講談社
収録作品:ペルソナ/犬婿入り
怖い。危ない。江國香織川上弘美の怖い部分を足して、さらに毒を足したような感じ。好き嫌いがはっきり分かれそうだが、わたしは好きだ。ポエトリーカレンダー最新号のインタビュー→http://pct_web.tripod.com/topics_index.html 20040926
犬婿入り (講談社文庫)