太公望をめぐる二つの物語。『太公望』と『封神演義』
小説:『太公望』宮城谷昌光
太公望の時代は紀元前11世紀頃。秦の中国統一が紀元前221年なので、中国の歴史のなかでも初期に活躍した人物(Wikipediaさんに訊きました)。
物語としては、今でいうとチート感が半端ない。知識、剣術すべてにすぐれていて、神がかっている。
文字をめぐる話が興味深く、妲己が文字を読めなかったせいで炮烙の刑が行われる下りがある。文字が読める(知識がある)というのは大きな武器であることは今の世も同じ。
漫画:『封神演義』藤崎竜
封神演義 完全版 全18巻 完結セット (ジャンプ・コミックス)
- 作者: 藤崎竜
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/11/01
- メディア: コミック
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小説「太公望」の登場人物とはそれほどリンクしていなかった。太公望の人物像は大きく異なっていて、こちらは人間臭く描かれている。基本は仙人たちの話であって、ファンタジーだ。
序盤はわりと面白いのだが、途中でやや飽きた。天下一武闘回形式のストーリーが何回か繰り返されたり、蛇足的にラストでスケールを広げて宇宙人が出て来たりと、今読むと本当にジャンプっぽいな(笑)と思った。