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ちょろい人っぽくてちょっと恥ずかしい、Kindle Paperwhiteを購入

電子書籍には抵抗感があったのだが、Amazonプライムに加入したのでうっかりKindle端末を入手してしまった。プライム→Kindle(無料本目当て)への流れがちょろい人っぽくて恥ずかしい。

Amazonのプライム会員になったのは配送日指定が一番の目的で、他にもいろいろ特典があるので、価格的にもまあありかなと。一ヶ月の無料体験期間ではいまいち使い方がよくわからないまま映像を見たり、音楽を聴いてみたり。

実際のところ、いいサービスだし、元は取れると思う。とくに時間に余裕があって、幅広く楽しみたいという人には向いていると思う。

でも限られた時間のなかで、目当てのものをお得に欲しいと思うと、コンテンツや検索機能は不十分で、探す時間が惜しい。普通にお金を払って、最短ルートで入手した方がストレスレスな気がする。

さてKindle。プライム無料のコンテンツは微妙すぎて、びっくりするレベル。がんばって検索をかけてみたが、その時間がもったいないという結論に至り、今後は適当にオススメをダウンロードしておくことにする。

で、さっそくKindleならではの本を購入。

 『新平家物語全一冊合本版』吉川英治

新・平家物語全一冊合本版

新・平家物語全一冊合本版

 

 全巻分で586円。文庫本だと16巻で、価格以前に置き場に困るので、こういう本に限って言えば本当に電子書籍万歳。

NHK大河の清盛が私的には面白く、一度読んでみたいと思っていたので迷わずポチ。

 まんが百人一首大辞典

 セール価格なのか、194円。Kindleの端末ではモノクロになってしまうので、こちらはパソコンに入れたKindleアプリで。

ちはやぶるのアニメを見たら、漫画よりも百人一首の方が気になってしまって、たまたま検索にかかったので購入してみた。

無駄なく必要な情報が網羅されていてよい。

文字が小さいので、パソコンじゃないときついかも。むしろ気になる歌にぱっと飛べる紙の方がいいかも。安かったから買ったけれど、最終的には紙の方がいいかも、な一冊。

余談だが、「田子の浦ゆ」のゆってなんだよ!とずっと思っていたのだけど、これは万葉集の方で、百人一首の方は「田子の浦に」なんだそう。ほぼ同じ歌だけど、少しニュアンスの異なる歌になっている。時を経て、伝えられる歌が時代に合わせて微妙に変化したようだ。

ゆとは由のことで、田子の浦をへて、みたいなニュアンス。田子の浦をへてと田子の浦に出て、なので結構感覚的には違いがある。

本の回し読み、みたいな:小泉今日子『書評集』

小泉今日子が読売新聞で書いていた書評をまとめたその名も『書評集』。

小泉今日子書評集

小泉今日子書評集

 

実家に帰るたびに楽しみにしていた彼女の書評が本になったのを知って、迷わず購入。て、ずいぶん寝かせてしまったけれど。

彼女の書評はその本を読みたくさせる。それで、友達から薦められているような気軽さがあって楽しい。時に自分の人生を重ね合わせ、時にタイムリーな出来事とリンクさせる。書評としても十分読み応えがあるが、行間から立ち上る彼女の人となりが伝わってきて、いい書評だとおもう。

自分の立ち位置から見える世界と、物語をリンクさせていく。その手法は熱っぽいのにある意味冷静で、たぶん、すごくクレバーな人だ。

書評に何を求めるかにもよるが、文章そのものは正直読売新聞で並んでいた他の書評人たちを圧倒していた。話し上手。そしてなんというか、隣に座って、「はいっ」と手渡される、そんな気分にさせてくれる書評集だ。

2周目の人生:T2 トレインスポッティング

私が今まで観た中で最も汚い映画、それがトレインスポッティング

スコットランドを舞台にダメな青年たちを描いた作品だが、独特の疾走感で走り切ったあとの風景が見えそうで見えない感じの、異彩を放つ青春映画だった。ユアン・マクレガーがとにかく格好よくて、当時の熱狂ぶりはすごかった。

あれから20年たって、同じキャストで復活。

ああ、人はそう簡単には変われない。そうか、そうだよね。

そんな20年後の結論は、また映画館に行ってしまった観客には妙に染みるはず。でも別に悪いことは何もない。


T2 トレインスポッティング2 (2017) Trailer 「WOLF ALICE LYRICS」 - Silk 日本語訳

T2を観て思ったのは、もう20年か・・・と。登場人物にだけでなく観客へも青年期の終わりを告げる作品だ。たしかにあれからもう、人生が一周回り切った感じはする。

そしてダメながらも輝いていた彼らが、ダメな輝かないおっさんになって、どこにも行けないはずなのに、でも『それで悪いことは何もない』ってやっぱり思った。

第89回アカデミー賞に見るアメリカの光と闇

2017年のアカデミー賞で話題になった『ムーンライト』と『ララランド』を続けて観て来た。鑑賞者としてはかなりオールランダーな方だと思うのだが、やはり少し戸惑ってしまう。逆の順番で観ていたら、ララランドの余韻が吹っ飛んでいただろうな。

そもそもまったく別のベクトルの作品を同じ賞レースにかけることに無理があるので、よくいえば多様性を享受しているということで、少し引いたところから眺めるのが吉。

 

映画『ムーンライト』


アカデミー賞候補作!『ムーンライト』本国予告編

貧困とそのスパイラル、ゲイであることのマイノリティ、出口の見えない人生のなかで淡い月の光のように存在する恋。

小学生、高校生、大人と3つのパートに別れていて、3つの物語はひとつの織物ではなくてパッチワークのよう。説明が極力排除されており、物語を繋ぎ合わせるのが難しい。

作品自体になかなか没頭させてくれず、映画の出来としてはあまりよいとは思えなかった。テーマが先行しており、持てる知識を総動員させ、余白を読む想像力を要求する、観客に負荷のかかる作品。

日本人にとっては、想像はできても感覚的に理解するのは難しい。純粋に恋の物語として観たいところだが、情感にあまり訴えてこないのは、アメリカで、こういう作品を描くことの限界があるのかも。

それでもララランドの観客に冷や水を浴びせるだけのインパクトはある。

 

映画『ララランド』


「ラ・ラ・ランド」本予告

甘酸っぱい青春映画。恋愛が軸になっていはいるけれど、青春だなあと思った。ヒロインのエマ・ストーンのキラキラっぷりがスクリーン全体に溢れていて、本当に楽しい。

恋に落ちて、世界が変わって見えたり、弱くなったり強くなったり。自分の夢がうまくいかないときも、相手の背中を押してあげられるカップルが本当に可愛らしかった。

明るくて、楽しくて、ちょっと切なくて。夢のようなひとときを味合わせてくれる作品。

太公望をめぐる二つの物語。『太公望』と『封神演義』

小説:『太公望宮城谷昌光

太公望の時代は紀元前11世紀頃。秦の中国統一が紀元前221年なので、中国の歴史のなかでも初期に活躍した人物(Wikipediaさんに訊きました)。

物語としては、今でいうとチート感が半端ない。知識、剣術すべてにすぐれていて、神がかっている。

文字をめぐる話が興味深く、妲己が文字を読めなかったせいで炮烙の刑が行われる下りがある。文字が読める(知識がある)というのは大きな武器であることは今の世も同じ。

 

漫画:『封神演義藤崎竜

封神演義 完全版 全18巻 完結セット (ジャンプ・コミックス)

封神演義 完全版 全18巻 完結セット (ジャンプ・コミックス)

 

 小説「太公望」の登場人物とはそれほどリンクしていなかった。太公望の人物像は大きく異なっていて、こちらは人間臭く描かれている。基本は仙人たちの話であって、ファンタジーだ。

序盤はわりと面白いのだが、途中でやや飽きた。天下一武闘回形式のストーリーが何回か繰り返されたり、蛇足的にラストでスケールを広げて宇宙人が出て来たりと、今読むと本当にジャンプっぽいな(笑)と思った。

結婚にまつわる2つの物語。『金の国 水の国』と『姉の結婚』

 

『金の国 水の国』岩本ナオ 

 おとぎ話のような可愛らしい物語に癒される。

ハイライトは結婚相手をどのように選ぶか尋ねられたB国の若者が答えるシーン。心を打たれるいいシーンだと思う。でもそれは案外難しい、と思ってしまう人もいるのでは。

とりあえず、この物語のヒロイン・サーラのように、いつも機嫌良くニコニコしてくれる人がいいのではないかと。この話の最後に、残ったビスケットをサーラが遠慮なくいただいてしまうところが好きだ。

おとぎ話的な展開を踏まえた上で、それでも何か許されてしまうような根源的な温かさが心地よい作品。軽やかに、染み込んでくる優しいマンガでした。おすすめ。

トーリーと絵のバランスが絶妙。他の作品も読んでみたい。

 

姉の結婚西炯子

姉の結婚(8) (フラワーコミックスα)
 

対して、こちらは重い(笑)。

地味かっこい美女・ヨリさんとクレバーな変態イケメン医師・真木のアラフォー不倫物語(なんだこれ)。

あらすじだけ書けば本当にうんざりする内容なのだが、そこは西炯子。読ませるなあと思う。リアルな部分をアンリアルな筆致で描くので、ついつい引き込まれてしまう。

妻帯者から好きと言われることは、やはり傷つくことなのだが、男の方はその辺よくわかっていないというのもリアルだと思う。真木は一途でクレバーな性格にも関わらず、中盤まで何がヨリを傷つけているのか気づいていないようだった。ヨリの方も自分を選べと言えないことで、自分で自分を傷つけている。

少し考えてしまうのは、ヨリのように結婚とか家族に幸せなイメージを持てない人が、じゃあ一体何を拠り所にすればいいのかと言えば、彼女の出した結論のように、もう愛しかない、と。前向きな意味ではなく、悲壮感漂う彼女の想いは、なんかわかる。そして愛しかないって、それは確かに打ちのめされるな、と。ある種の人間にとっては、愛されることも愛することも途方もなく難しいことなのだ。

でもヨリは、良くも悪くも弱い人だから、依存対象がそこにあれば結構うまくやれるのではないかと思った。流されっぷりが凄まじくて最終的には少し引いた・・・。ヨリがダメなのは愛されなかったからではなくて、弱さと向き合うことをせず、他人のせいにしてきたからだと思う。それはもう徹底して最後までそういう人だったな、と。妹ちゃんのように真木のように、最終的には戦って勝ち取って欲しかった。

あけましておめでとうございます

今年はこっそり復活予定です。

ぼうっとしていると時間ばかり過ぎてしまうので、インプット計画を立ててみました。
毎月本2冊、映画2本、展覧会1回を目安にしようかと。

そんな感じでゆるゆると、よろしくお願いします。