日日平安

再開しました

2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

 『五百城文哉展〜咲き競う百花百草』

日光を描いた水彩画が圧巻。写生とか誰でもやったことがあると思うのだけど、それだけに凄さがよくわかる。また高橋由一の私塾に入塾していたそうで、深みのある艶やかな油絵にはなるほどと思う。独特のものとしては、百花百草の華やかな桃源郷のような絵が…

 宇野千代 『行動することが生きることである―生き方についての343の知恵』

つらつらと書いている感じがいい。可愛いひとだなと思う。考え方はわたしとかなり似ているので、ちょっと気恥ずかしかった(笑)。なにが似ているって、自分を褒める癖があるところが…。

 『まちがいペンギン』

ユーモアな本。嘘もあるけど(笑)。ペンギンが可愛いのか可愛くないのかよくわからない(笑)。まちがいペンギン作者: ジャン‐リュッククードレイ,フィリップクードレイ,Jean‐Luc Coudray,Philippe Coudray,大沢類出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 200…

 『あらしのひ』

いい本だなあ。鑑賞用の絵ではなくて、絵本の絵としてとてもすてき。あらしの一日。あらしのひ作者: シャーロット・S.ゾロトウ,マーガレット・ブロイグレアム,Charlotte S. Zolotow,Margaret Bloy Graham,松井るり子出版社/メーカー: ほるぷ出版発売日: 1995…

 レベッカ・ブラウン 『体の贈り物』 新潮社(単行本はマガジンハウス)

末期のエイズ患者のホームケア・ワーカーである女性たちと、その患者との交流を淡々と描いた連作集。たとえば朝、窓を開けて思いがけず天気がよかったとか、そういうささやかな歓びのある作品だ。HIV感染者は日本でも増えているし、もっと身近なものとして捉…

 『世界むかし話 ロシア』

わたしの感覚からすると、結構こわい。カエル姫というのが、わたしの探していた「チワンのにしき・太陽のむすめ」ではないかと思うのだけど、どうかな。蛙の姿の女の子を守ってあげる王子様、という図がステキ。というか、カエルの皮を脱いで置いておくとい…

 佐藤多佳子 『黄色い目の魚』 新潮社

渚ボーイ・多恵子ガールみたい。木島くんと村田さんのお互いの視点からの物語。絵を描く人間と絵を愛する人間が出会うというのが奇跡だ。木島くんかわいいなあ。でもテッセイの存在が一番よかった。子供たちの一人称で書かれているもんで、文調は乱暴だが心…

 チベット砂曼荼羅の世界

ダライ・ラマ法王の古希のお祝いとして、インド・ダラムサラのギュト寺院から僧侶4名を招き、9日間をかけて制作、その過程を特別公開したもの。砂曼荼羅というのは、完成した瞬間に壊してしまうもので、それ自体が修行である。わたしが見てきた日のトークイ…

 絲山秋子

『逃亡くそたわけ』 中央公論社 精神病院から脱走し、九州を半周するロードノベル。たぶん鬱とか躁とか大変なんだろうけど悲壮感がないのがいい。やっぱり生きて行かなくちゃいけないわけだし。もし九州に行ったら”いきなり団子”食べるんだろうな。絲山本の…

 『動物会議』 エーリヒ・ケストナー作、ウァルター・トリアー絵、池田香代子訳 岩波書店

タイトルとボリュームに惹かれて借りてきた本。絵は結構好き(象の目が充血しているのが気になるが…)。戦争をする人間たちに怒った動物が、人間の子供たちの未来のために会議を開くという話。主旨は素晴らしいが、結果としてはこれは間違っていると思う(正…