日日平安

再開しました

2009-01-01から1年間の記事一覧

12月の読書メーター読んだ本の数:5冊読んだページ数:1394ページ林檎の木の下で (Shinchosha CREST BOOKS)読了日:12月24日 著者:アリス・マンローお洋服スッキリ収納BOOK―捨てられない自分を卒業するには?洋服だけについて書かれているのが珍しくて目にと…

11月の読書メーター読んだ本の数:8冊読んだページ数:2471ページ冬の犬 (新潮クレスト・ブックス)読了日:11月29日 著者:アリステア・マクラウド屍鬼 6 (ジャンプコミックス)なんか「起き上がり」たちが妙に楽しそう。正雄くんが好きなので、もっと活躍し…

10月の読書メーター読んだ本の数:9冊読んだページ数:3389ページクロニクル千古の闇〈2〉生霊わたり (クロニクル千古の闇 2)読了日:10月27日 著者:ミシェル ペイヴァー,酒井 駒子 ハリー・ポッターと謎のプリンス ハリー・ポッターシリーズ第六巻 上下巻2…

 『俳人漱石』よりメモ

漱石のセンチメンタルな部分とユーモラスな部分がわたしにはよく合うみたいだ。教養がないので、古典などに由来するものは残念ながらよくわからず。奥さん面白いなあ。この本を手に取ったのは漱石の俳句を読みたかったからだが、思いがけず子規のひととなり…

 『荒野のおおかみ』ヘッセ

ヘッセってちょっと面倒くさいひとだなとついつい思ってしまうのだけど、ずんずんこちらの領域に踏み込んでくる、そんなところが面倒くさいのかも。おおかれ少なかれ、誰の心の中にも”荒野のおおかみ”が存在している。”荒野のおおかみ”の力が強くなりすぎる…

2009年9月

あれ、たくさん読んだ気がしてたのにこんだけ? と思ったら、そういえばどれも読み終えてないのだった。9月の読書メーター読んだ本の数:3冊読んだページ数:954ページ海の救助隊―フェレット物語 (新潮文庫)読了日:09月16日 著者:リチャード バック冷血 (…

 『冷血』トルーマン・カポーティ

ノンフィクション・ノベルという新ジャンルを切りひらいたカポーティの傑作。実際に起きた事件を丹念に(あるいは執拗に)取材し、彼独自の文体で新たな物語を立ち上げた。事件そのものはありふれた事件である。殺された家族も、犯人たちも、町の人々も、皆…

8月の読書メーター読んだ本の数:9冊読んだページ数:2245ページ神の守り人〈下〉帰還編 (新潮文庫)読了日:08月23日 著者:上橋 菜穂子神の守り人〈上〉来訪編 (新潮文庫)読了日:08月23日 著者:上橋 菜穂子項羽と劉邦 (上) (新潮文庫)読了日:08月21日 著…

[メモ] べんりかも。7月の読書メーター読んだ本の数:4冊読んだページ数:1505ページ犬は勘定に入れません 下―あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎 (3) (ハヤカワ文庫 SF ウ 12-7)読了日:07月25日 著者:コニー・ウィリス犬は勘定に入れません 上―ある…

 日本の美術館名品展

急に思い出したけど、カミーユ・ピサロ「エラニーの牛を追う娘」がとってもよかったのです。 前にベンチとかあれば、一日中観ていたい絵です。 夕方の光の色合いが、たとえば教室とか、海辺とか、家のベランダとか、ちょっとした場所で誰もが感じたことのあ…

 マリアノ・フォルトゥーニ・イ・マルサル / フォルトゥーニ (1838〜1874年)

プラド美術展は2回観たんだな。2006年と混乱していたため、検索にえらく時間がかかってしまった。プラド美術館展 2002 プラド美術館展 2006http://www.fortuny.com/ http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Mariano_Fortuny_The_Artist%27s_Children_in_the…

 2009年6月

エアコンをつけたので、除湿除湿! でも寒いっす…。【本】 恥辱(J.M. クッツェー)/ポーの話(いしいしんじ)/韓信(竜崎攻)【映画】 アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン【DVD】【演劇・アート・他】 日本の美術館名品展(東京都美術館) http://www.museum-is…

 『ポーの話』 いしいしんじ

祈りと、つよいうねり、の物語。ポーの話 (新潮文庫)作者: いしいしんじ出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/09/30メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 20回この商品を含むブログ (45件) を見る

 2009年5月

FFXにのめり込むあまり…いろいろなことを忘れていたようです。もうおとななのに! 5月はGWの月か…なんだかすでに遠い。【本】 ニューロマンサー(ウィリアム・ギブスン)/ねじの回転(ヘンリー・ジェイムズ)【映画】 レッドクリフ/ベルサイユの子/ウォー…

 2009年4月

忙しすぎ。一体何をしたいのか。と、これからのことをちょっと考えた。 蟹工船を読もうとしたんだけど、あとがきを先に読んだら、どうしても今はムリ…と思った。そういえば、オズの魔法使いは2泊で借りて、2泊延滞した。最初から一週間で借りとけよ!と肝に…

 『奇貨居くべし』 宮城谷昌光

6年にわたって雑誌に連載された作品とのこと。宮城谷氏の端正な仕事は連載形式によく合うと思った。淡白ではあるが、端々まで隙がなく、しずかな緊張感を持って全5巻を一気に読んだ。わたしにとっては、疲れたときにでも読め、かつ楽しませてくれる癒し小…

 『わたしを離さないで』 カズオ・イシグロ

なぜか、わたしのなかでは少し前に読んだ「闇の左手」と綺麗に対をなした。つまり、輪郭はあるが、核心がないということになるだろうか。腹の中に熱い石を抱えていたような「闇の左手」に対し、「わたしを離さないで」は石だらけの道を素足で歩いているよう…

 ウィキッド(劇団四季)

誰も知らない、オズのもうひとつの物語。 オズと聞いてなんとなくきゅんとしてしまう人や女の子のための物語。ドロシーに倒される西の悪い魔女が、どうして悪い魔女になったのか、という物語。「オズの魔法使い」のラストでエメラルドの都の裏の顔が明かされ…

 2009年3月

映画14本観たわけだけど、(体調を崩したせいもあるけど)正直心が折れた。。最近映画ライターなどの評がすごいつまんないなと思っていて、それはこういうわけかと思う。たくさん観て、ひとつひとつ咀嚼しては吐き出して、なんてことをやっていると死んでし…

 『歌行灯・高野聖』泉鏡花

泉鏡花は繰り返し読むほどに、味の出てくる作家だ。文体は慣れるまで読みづらいが、わりと慣れる。今回この本を読むのは3回目でほぼすらすらと読めたものの、作品によっては部分的に引っかかってしまう。だいたいにおいて、主語が掴みづらい。それを差し置い…

 キャッツ(劇団四季)

オープニングでいきなり泣いた。ちょっと身体がびっくりしたようだ。最近感度がよくなっているなあと思う。かといって不安定ではなくいい感じ。わたしは今まで何かを観たり聴いたりして、そこから感じたことを言語化して満足していたけれど、脳みそだけじゃ…

 『カツラ美容室別室』山崎ナオコーラ

※文藝掲載のものを読みました。正直、これを本にするのかーと。量的に。あと2編ぐらい入れればスカスカとか言われないかもしれない。キュッとしたいです。キュッと。(ナオコーラさん的キメ台詞を)行開けしちゃうのはキメっぽいだけに格好悪く感じます。絶…

 2009年2月

風邪を引いて、中ごろはいろいろお休み。闇の左手がとにかく素晴らしかった! 映画はゲバラ。それから「落下の王国」。映画館で観ればよかった! 素晴らしい映像美もさることながら、音楽も役者もいいし、ファンタジー部分は完ぺき、とはいないけれど、現実…

 『闇の左手』 アーシュラ・K・ル・グィン

一言で言うと、”奇妙な”小説だ。掴みどころがない、というより、輪郭がない。ぼやけた二つの影のような塊が、風雪のなか、ただ白い世界を移動している。核心は常にある。愛に似ているが、それをそのまま愛と呼んでいいのかわからない。両性具有の異星人であ…

 『蒼穹の昴』浅田次郎

面白くなってきたと思うとすぐに場面転換してしまい、全体的に気分が盛り上がらないまま終わってしまった。ディテイルは面白いのだけど。。主人公ふたりだけに絞っていたらもう少し入り込めたかも。天上人の描き方がわたしにはしっくりこなくてこれは致命的…

 『駅前旅館』井伏鱒二

あまり上手い言葉が思いつかないのだけど、とにかく面白かった。わたしが井伏鱒二を好きなのは、陽気さと切なさのバランスが絶妙で、笑いながら目のはしで泣いてしまうようなところ。こういう心地の良い軽妙な文芸小説を読める機会は意外と少ないように思う…

 2009年1月

正月ボケ、暇のようで、せわしい一月。あっというまでございました。「4ヶ月、3週と2日」は凹んだ。ルーマニア、チャウシェスク政権下では、避妊も中絶も禁止されており、ひとりの女子学生の中絶をめぐる一日の物語。女子には重い命題である。中絶という…

 『空中ブランコ』奥田英朗

サーカスとヅラの話を読むかぎりでは、前作より数段面白くなっており、これはずっと書いて欲しいなと思ったのだが、最後の「女流作家」を読んで少々不安に。ネタを探すのが大変そうだ。空中ブランコ (文春文庫)作者: 奥田英朗出版社/メーカー: 文藝春秋発売…

 モーム短編集/アムステルダム

 『アムステルダム』 イアン・マキューアン

ある意味、アムステルダムというタイトルがすべての作品だが、皮肉にもアムステルダムがアムステルダムであるがゆえに、傑作になりえなかった作品ともいえる。中盤、物語が転換を迎える場面で、”友情の不均衡”という言葉が出てきたとき、思わすクスリと笑っ…