日日平安

再開しました

2006-01-01から1年間の記事一覧

 2006年総括

■アート 1.伊藤若冲(動植綵絵)三の丸尚蔵館 2.Cocco東京公演 3.オラファー・エリアソン「影の光」 ■映画 1.なし 2.なし 3.プロミス(無極)、フラガール ■ビデオ 1.らくだの涙 2.ミトン 3.ベルヴィル・ランデブー ■本 1.『タイタンの妖女』 カー…

 なかはられいこ 『脱衣所のアリス』 北冬舎

<えんぴつは書きたい鳥は生まれたい> 本としては初めて読む川柳。”サラリーマン川柳”ぐらいしか知らなかったので、「私」を中心に置いたその自由さに驚く。女のひとのやわらかさと底暗さが気持ちよく混在している。巻末に本書及び川柳に対する座談会が付い…

 アレックス・シアラー 『チョコレート・アンダーグラウンド』 金原瑞人訳

イギリスの児童文学。大勢の人が選挙に行かなかったために、健全健康党が勝利を収め、チョコレート禁止令が発令されてしまう。禁止の仕方は徹底的で、チョコレート探知機が町を走り、違反したものは厚生施設へ送られる。チョコレートを何かに置き換えると、…

 大崎善生 『将棋の子』 講談社

将棋界を舞台にしたノンフィクションだが、小説のようでもあり、冒頭とラストは少しうるうるしてしまう。将棋は与えるだけで、何も奪わないという、何十年も経ってからの著者(将棋連盟発行の雑誌編集長だった)の結論に重みを感じる。将棋界に興味があれば…

 『樋口一葉 小説集』 筑摩書房

やっと読了。時間はかかったが大変面白かった。物語の骨格はシンプルなのだけど、キャラクタの立たせ方が上手い。会話文が特に素晴らしく、そこだけは原文でも大丈夫。「大つごもり」と「やみ夜」が好き。「ゆく雲」の非モテ男の話は笑えた。意外と変わらな…

 いろいろ(追加しました)

■キンキーブーツ http://www.movies.co.jp/kinkyboots/ ■太陽 http://moviessearch.yahoo.co.jp/detail/tymv/id324944/ ■銀河鉄道の夜 〜11/12 http://www.sunshinecity.co.jp/event/gingatetudou2.html ■グエムル 9/2〜 これは見ようかな。 http://www.guem…

 中原昌也 『マリー&フィフィの虐殺ソングブック』 河出書房

無理やり例えるなら舞城からセンチメンタルな部分を全部抜いて、どこかのシーンを抜き出したような感じ。似てるってわけではなくて形として。長編ならまた読んでみたいかも。ウラジーミル・ソローキンの「愛」を思い出した。

 伊藤比呂美 『日本ノ霊異ナ話』 朝日新聞社

なるほど伊藤比呂美だなと思う。やっぱり地獄の話の「頼光と智光」が一番好き。ちょっと泣きそうになった。 樋口一葉の現代語訳もあった。原文でぜんぜん読めるけど、読み比べしてみるのも面白いかも。そういえばねちっこさ(笑)みたいな部分は多和田葉子と…

 藤谷治 『おがたQ、という女』 小学館

時々最初の数ページでぞわぞわと何か予感のようなものが来ることがある。多和田葉子以来久しぶりにやって来た(笑)。まず文章がイイ。映画を愛する根暗な美女おがたQは、目の前に現れる不幸のサインをことごとく見逃していき、その原因がたぶん「ちょっと…

 伊坂幸太郎 『チルドレン』 講談社

色々不満も無くはないのだけど、オチが予想以上にすばらしかったので許す(笑)。相変わらずキャラ勝ちだな。もう少し骨太に、もう少し深く、もう少し情熱的になれたら、といつものように伊坂さんのことを思う。

 小野不由美 『図南の翼 十二国記』 講談社

これだけ読み残していたので、ようやくすっきり。ここで改めて思ったのは、十二国記というのはもう世界設定がべらぼうに面白いのだけど、物語のなかで一貫しているのは、「いい王とは?」というのをずっと問答している。ひいては人間(それぞれ個々人が)が…

 宮部みゆき 『火車』 新潮社

再読。未だわたしの中では宮部みゆき一番の傑作。カードも怖いが、ここに出てくる女性たちの年代になってみると、彼女たちの孤独や不安がより浮かび上がってくるように思う。それにしても無駄がほとんどなくて、一歩引いてみれば、自分も駒のひとつとしてこ…

 スーザン・ソンタグ 『良心の領界』 NTT出版

なんか、間違えて消してました…。 物事の大小に関わらず、良心を守り抜くには勇気がいる。そして知識と想像力も必要。彼女の常に物事に丁寧に対峙する姿勢に打たれた。序文はたいへんわかりやすく、かつ素晴らしい。これだけだけでも読む価値がある。 以下引…

 『アフリカ リミックス』 森美術館

アフリカの現代美術の展覧会。方向性は当然われわれとは違うので、理解できない部分も真摯に受け止めなければ…と思う。印象としてはやはりというか、戦うアートが多かったと思う。

 オラファー・エリアソン Gallery Koyanagi

銀座のちいさなギャラリーでの展示。何かの先に光をつけて、シャッターを開けたまま撮ったと思われる立体写真が面白かった。カオスだ。 http://www.gallerykoyanagi.com/

 『タイタンの妖女』 カート・ヴァネガット・ジュニア

個々の存在は連綿と続く何かの一部であり、知らないうちに利用されていることもある。気づいたときは恐ろく、虚しくなるものだと思ったけれど、そうじゃないらしい。ものすごく悲惨でものすごく幸福な物語だった。

 『ルチアさん』

出久根育の絵が恐いのだが、中身はふつうに優しい物語だった。なぜそんなにギャップがあるのかは不明。ルチアさん作者: 高楼方子,出久根育出版社/メーカー: フレーベル館発売日: 2003/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 17回この商品を含むブログ (12件)…

 『ベルカ、吠えないのか?』 古川日出男 文藝春秋

戦争の世紀を犬の視点で切り取って断片的に重ねていくという、実験的な小説。犬や登場人物の行動を作者が好き勝手に解説しているような感じ。ひとことでいうと、へんな小説だ。

 『ダ・ヴィンチ・コード』

キリスト教圏の人間でないと、すごさが実感としてわかりずらい「謎」ではある。どうでもいいよ。ストーリーテリングが面白いのだろう。いくつか観に行きたくなった絵や場所などはあるのだけど、もうちょっと特にダ・ヴィンチについての記述があるとよかった…

 『銀河ヒッチハイク・ガイド』

冒頭からオチまで、心鷲掴みにされっぱなし。「パニくるな!」とりあえず覚えておきたい台詞だ。銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)作者: ダグラス・アダムス,安原和見出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2005/09/03メディア: 文庫購入: 39人 クリック:…

 畠中恵 「しゃばけ」 新潮社

とにかく柴田ゆうの挿絵が愛らしくて、それによって面白さ30%ぐらいUPしていると思う。絵がやばい。物語は文章もストーリーもほんとたいしたことないんだけど(失敬!)、この邪気のない可愛らしさとおおらかさになんだかほわわーんとあてられた。いや面白…

 ニューヨーク・バークコレクション展 東京都美術館

バークさんの集めた日本美術が一同に並んでいて、まとまりもよく、有名無名に関わらずいいものを集めていると思う。個人的には若冲目当てで、あまり色鮮やかなものを見たことがなかったので、やっと会えたという感じで感慨深かった。 http://www.tobikan.jp/…

 名和晃平 -GUSH- SCAI THE BATHHOUSE

とにかくどうやってこれ作ったの?という手法のわからなさが先に立ってしまうのだけど、ぶくぶくしていたりあわあわとしていたりする作品自体も気持ちよかったり気持ち悪かったり、なんだか面白い。 http://www.scaithebathhouse.com/ 銭湯を改築したという…

 三浦悦子人形展 HIGURE 17-15 cas

展示内容は前回のものと半分ぐらい被っていたのだが、地下の暗い中で、各自懐中電灯で照らして見られるという趣向が面白かった。趣味という点ではわたしの範囲ではないのだけど、人形との距離感にどぎまぎしつつ、なんとなくふしぎな気分を味わうのはちょっ…

 前田國男建築展 東京ステーションギャラリー

http://www.ejrcf.or.jp/gallery/index.asp 戦後に立てられた紀伊国屋書店の建物に涙が出そうになる。時間の流れ方というのは建築にも顕れるのだなあ。ずらりと並べられた模型そのものが面白い。そして戦後の建築に多大な影響のあったひとだというのが一目で…

 オラファー・エリアソン「影の光」 原美術館

光の性質を利用し、ちょこっとだけ手を加えてアートにするという、どこか理科の実験のような雰囲気だが、ごく単純にシンプルな光の造詣が美しい。

 初めてのお料理

書店くじに当たった(100円)ので、それで買ってきました。基本がだいじよね。。おかっぱの眼鏡っこが「おめでとうございます!」とにこやかに笑ってくれて悩殺されました(笑)。奈緒ちゃんも眼鏡で仕事するとよいよ!

 J.K.ローリング 『ハリーポッターと炎のゴブレット』 静山社 訳:松岡佑子

本筋以外の味付けの部分が好き。映画ではカットされていたけれど、屋敷しもべたちのエピソードは楽しかった。ふたを開けてみればおとなたちの思惑に振り回されているだけの対抗試合だったのがたいへんむなしい。この物語をどうやって楽しむかは、おとなとし…