日日平安

再開しました

2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

 中原昌也 『マリー&フィフィの虐殺ソングブック』 河出書房

無理やり例えるなら舞城からセンチメンタルな部分を全部抜いて、どこかのシーンを抜き出したような感じ。似てるってわけではなくて形として。長編ならまた読んでみたいかも。ウラジーミル・ソローキンの「愛」を思い出した。

 伊藤比呂美 『日本ノ霊異ナ話』 朝日新聞社

なるほど伊藤比呂美だなと思う。やっぱり地獄の話の「頼光と智光」が一番好き。ちょっと泣きそうになった。 樋口一葉の現代語訳もあった。原文でぜんぜん読めるけど、読み比べしてみるのも面白いかも。そういえばねちっこさ(笑)みたいな部分は多和田葉子と…

 藤谷治 『おがたQ、という女』 小学館

時々最初の数ページでぞわぞわと何か予感のようなものが来ることがある。多和田葉子以来久しぶりにやって来た(笑)。まず文章がイイ。映画を愛する根暗な美女おがたQは、目の前に現れる不幸のサインをことごとく見逃していき、その原因がたぶん「ちょっと…

 伊坂幸太郎 『チルドレン』 講談社

色々不満も無くはないのだけど、オチが予想以上にすばらしかったので許す(笑)。相変わらずキャラ勝ちだな。もう少し骨太に、もう少し深く、もう少し情熱的になれたら、といつものように伊坂さんのことを思う。