日日平安

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 梨木香歩 一覧

■小説

雑誌に掲載された連作らしい。村田という考古学者の、第一次大戦の少し前のトルコの滞在録とその後日談である。梨木香歩が男性を主人公にして一人称で書いているのが珍しい。そのせいか、連作形式のせいかはわからないが、ずいぶんと印象が柔らかい。時代とトルコという場所を考えると物足りなさも。しかし後日談のトルコでお世話になった夫人からの手紙は圧巻なのであった。

  • 『エンジェル エンジェル エンジェル』 単行本-原生林 ASIN:487599074X

高校生なのに毎日珈琲30杯飲む、というところに最後まで引っかかる馬鹿。それは配分的に無理であろう。幽霊や魑魅魍魎はいけるくちだが、悪魔にがて。天使とか悪魔とか感覚的に理解できないので、よくわからなくなる。とりあえず文庫版も読んでみることにする。

  • 『りかさん』 文庫本:新潮社 単行本:偕成社

「からくりからくさ」のサイドストーリー。りかさんが蓉子の家にやって来たエピソードはさながら『百鬼夜行抄』だが、からくり〜の後に読むと、普通の物語のような気がしてしまう。もう一編は後日談で、生きることは基本的に歓びと哀しみで構成されているのだろうなと、しんみりとした気分になった。

  • 『からくりからくさ』 新潮社

大変気持ちのよい小説。女性たちはみな現代から離れずに且つ凛としているのが素晴らしい。話がやや込み入っているのが難点。能を少し勉強せねば、と思う。

優しいが、教育的内容が前に出すぎていて少し物足りない。でもわかってはいてもいじらしいラストなのだった。

  • 『裏庭』 文庫本:新潮社 単行本:理論社

ジャンル的には児童文学+ファンタジーだが、傷をテーマにしたこの作品は大人にこそ響くものがある。とてもいい作品。

村田エフェンディ滞土録  りかさん (新潮文庫)  からくりからくさ  西の魔女が死んだ  裏庭 (理論社ライブラリー)

■絵本

真面目だなあと思う。とても理想的ではあるんだけど、それがわたしには眩しすぎるかも。
ペンキや