日日平安

再開しました

 ヴァージニア・ウルフ 『ダロウェイ夫人』 丹治愛訳 集英社

1920年代のロンドン、6月のある一日。描写が美しい。テーマのひとつには”老い”があるのだが、作品としては瑞々しいという印象が残る。基本的にはミセス・ダロウェイが主人公だが、Aの視界にBが入ると、Bの視界になってCを見る―という、いわゆる群像描写になっていて、名前が覚えきれなくて混乱した。でもこういうカメラワーク的な群像描写を小説で読んだことがなかったので興味深かった。
ダロウェイ夫人