日日平安

再開しました

 藤谷治 『おがたQ、という女』 小学館

時々最初の数ページでぞわぞわと何か予感のようなものが来ることがある。多和田葉子以来久しぶりにやって来た(笑)。まず文章がイイ。映画を愛する根暗な美女おがたQは、目の前に現れる不幸のサインをことごとく見逃していき、その原因がたぶん「ちょっと真面目すぎた」ことにあると思うと愛おしい。特に何が起こるというわけでもないのだけど、不思議と彼女が生きたという実感が伝わってきた。オススメ。
チルドレン おがたQ、という女