日日平安

再開しました

さざ波のようにぶつかり合う砂と風、音楽と踊り:DUNAS

フラメンコ界の至宝、マリア・パヘスとコンテンポラリーダンサーで振付師としても名を馳せているシディ・ラルビ・シェルウカウイのコラボレーション。

 

布や砂の演出を効果的に使い、音楽、舞台美術ともに美しい演出だった。

 

DUNASはスペイン語で“砂丘”の意味だという。その名の通り、砂と風を感じる演出に、こちらも広い砂の海に放り出されたような感覚を味わった。特に薄い布を使った演出が見事で、空間の広がりと、風を感じさせるだけでなく、やわらかに揺れ、伸縮し、波を作り、官能的でもあった。

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マリア・パヘスは円熟、といった言葉がしっくりくる。年齢のせいもあるかもしれないが、色気より母性を感じる。どこか頼りなさげなシェルカウイを優しく包み込むよう。シェルカウイの振付は、彼は影のように寄り添う形で、パヘスの魅力を存分に引き出し、パヘスのパワーが大きな柱になっている。

 

自分をかたち作る枠から一歩を踏み出し、別の世界へ手を伸ばした。その伸ばした手の先に光が当たる。それを頼りに新しい自分を更新し、模索していく。そんな美しい舞台でした。

 


Bunkamuraオーチャードホール マリア・パヘス&シディ・ラルビ・シェルカウイ『DUNAS-ドゥナス-』スポット映像(チケット好評販売中)

 

ちなみに、マリア・パヘスはリバーダンス初期メンバー。まさかシェルカウイを追っていて出会うことになるとは!

 

リバーダンスはアイリッシュダンスのショー。アイルランドを起点とし、様々なダンスと出会い影響しあい、川の流れのように一つになり、あるいは枝分かれして、アメリカにたどり着く物語。パヘスはアイリッシュとフラメンコが出会うシーンで登場します。


Maria Pages - Firedance