日日平安

再開しました

 絲山秋子

精神病院から脱走し、九州を半周するロードノベル。たぶん鬱とか躁とか大変なんだろうけど悲壮感がないのがいい。やっぱり生きて行かなくちゃいけないわけだし。もし九州に行ったら”いきなり団子”食べるんだろうな。絲山本のなかでは一番好き。
逃亡くそたわけ

収録作品:袋小路の男/小田切孝の言い分/アーリオ オーリオ
だんだんよくなって来ているので、今後も読み続けると思う。「袋小路の男」はとてもいい。それぞれ身勝手な言い分というものはあるものだ。ただし正当化しないからいいのであって、「小田切孝の言い分」はいらないだろう。物語があって書きたいと思うのはわかるけれど、これを捨ててこそ本物でしょう。「アーリオ オーリオ」は、天文の話がでてくるのだけど、教科書を写しているようで、あんまり身が入らず。

  • 『海の仙人』 新潮社

主人公はなぜか宝くじが3億円当たっている。うらやましい…。しかし物語にはほとんどかかわりがない。感触は悪くない作品。しかし、書き方としては、ゴールに向かってではなく、スタートからとにかく走り出してみた感じだ。20041023

収録作品:イッツ・オンリー・トーク/第七障害
読みやすかったけれど、だから何?、という感じもする。文字通り”ムダ話”ではある。それでもイッツ〜は個性が立っている。が、第七障害は、うまくまとまっているだけでちっとも面白くない。なんだか陳腐というかチープというか。20040922
袋小路の男  海の仙人  イッツ・オンリー・トーク