日日平安

再開しました

2005-01-01から1年間の記事一覧

 大巻伸嗣個展

三箇所でほぼ同時にやっているうちのふたつを見てきました。資生堂ギャラリーでは、白いフェルトの地面に色のついた砂のようなものでいちめんに草花が描かれている。お客さんはその上を歩いて鑑賞するので、砂がまじりあってぐちゃぐちゃに。変化していくこ…

 ピーター・トレイメン 『アイルランド幻想』 光文社 甲斐万里江訳

どことなくポーのような雰囲気が。小説としてどうかっていうより、アイルランドの暗部の歴史を語る(←ここが重要!)ゴシックホラーとして味わい深いものだった。

 森美術館

■「中国 美の十字路展 後漢から盛唐へ」 ポスター等の宣伝があまりにかわいくてツボ。展示自体も歴史の壮大さや宗教美術を味わうよりも、庶民的な雰囲気が合って、こういうのは案外珍しいのでは。■「フォロー・ミー!:新しい世紀の中国現代美術」 16組40点…

 歌川広重と水木しげる展−「東海道」と「妖怪道」をめぐる旅−

グッズが結構あって楽しかった。たぶん最近「東海道五十三次」の復刻版が出たのだと思うのですが、それにあわせて水木しげるが描き上げた「妖怪道五十三次」を同時展示するというもの。※妖怪道の方も版画です。版木の展示などもあって面白かったです。こうい…

 いしいしんじ 『ぶらんこ乗り』 新潮社

雪の結晶のようなものがたり。 ※リストに追加しました http://d.hatena.ne.jp/kikioni/20050619

 チョコレート 好きな順に…()は購入場所

■デカダンス ドュ ショコラ (渋谷マークシティ) フランス 夢心地に。見た目もとても綺麗で好き! http://www.decadence.jp/decadence/9.5/ ■ル ショコラ ドゥ アッシュ (六本木ヒルズ) 日本 高いなりに、高級感がちゃんと味わえました。満足。 ■テオブロ…

 安野モヨコ 『美人画報』 講談社

あー、こういう本だったのか…。雑誌での連載コラムを書籍化したものをさらに文庫化したものなので、ちょっと古いか。文庫版あとがきで安野さんがちゃんと大人になっているのが面白い。 ※これ読みたい方がいたら差し上げます。

 村上春樹 『1973年のピンボール』 講談社

3部作の2作目という感じはする。飛ぶための助走ともいえるような。70年代という時代の空気感にどれだけ実感として迫れるかで、作品への寄り添い方が変わるような気がする。

 モブ・ノリオ 『介護入門』 文芸春秋

いまどきめずらしく、だからこそ新鮮な怒れる小説である。最初の一ページで芥川賞に納得。うっかり共感しそうになってしまうのだけど、わたしは彼の憎む親戚一同にもなりうるのだから、作品への態度は保留にしておきたい。でも介護したくなければしないとい…

 滝本竜彦 『NHKへようこそ!』 角川書店

卑下もテンション高くこなせばいいんじゃないか(ただし自分の部屋でお願いします)と、なんか、悩んでいるひとのヒントになるといいね。。ひきこもり佐藤くん、ダメだダメだと言っているわりにとっても楽しげだ。この小説の面白いところは、ボーイミーツガ…

 ベルナール・ビュフェ展 8/28まで

損保ジャパンのビル内、42階。眺めがいいのう。美術館自体は小さくて、作家ひとりの展覧会にしても少しものたりないか。大ぶりの絵が多いので、数が少なめというのもあるし、彼のモチーフが多様なせいもある。人物画が好み。しめっぽさとユーモアが同居して…

 南桂子追悼展

銅板画は線画とよく似ているのだけど、線には頼りなさがあって、より繊細な感じがする。彼女にとっては特別の存在であるかのように描かれるが鳥が好き。ていうかわたしが鳥が好きなのだなあ。 http://www.yamasa.com/musee/index.html

 秋山瑞人 『イリヤの空 UFOの夏 その1』 メディアワークス

夏といえばホラーなんだけど、実はSFもいい。ところでこれはプロローグだし、まだ面白いのかわからない。宇宙人と戦っているようだけど、まだ何も出てこない。。

 ゴーゴリ 『外套・鼻』 岩波書店

ドストエフスキーが「われわれは皆ゴーゴリの『外套』の中から生まれたのだ!」と言っている。それで解説を読むと難しげなんだが、気にせず読む。かなり面白い。ひとくちに不条理といってもユーモアがあるので、とほほな話という感じ。それにしても主人公が…

 『五百城文哉展〜咲き競う百花百草』

日光を描いた水彩画が圧巻。写生とか誰でもやったことがあると思うのだけど、それだけに凄さがよくわかる。また高橋由一の私塾に入塾していたそうで、深みのある艶やかな油絵にはなるほどと思う。独特のものとしては、百花百草の華やかな桃源郷のような絵が…

 宇野千代 『行動することが生きることである―生き方についての343の知恵』

つらつらと書いている感じがいい。可愛いひとだなと思う。考え方はわたしとかなり似ているので、ちょっと気恥ずかしかった(笑)。なにが似ているって、自分を褒める癖があるところが…。

 『まちがいペンギン』

ユーモアな本。嘘もあるけど(笑)。ペンギンが可愛いのか可愛くないのかよくわからない(笑)。まちがいペンギン作者: ジャン‐リュッククードレイ,フィリップクードレイ,Jean‐Luc Coudray,Philippe Coudray,大沢類出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 200…

 『あらしのひ』

いい本だなあ。鑑賞用の絵ではなくて、絵本の絵としてとてもすてき。あらしの一日。あらしのひ作者: シャーロット・S.ゾロトウ,マーガレット・ブロイグレアム,Charlotte S. Zolotow,Margaret Bloy Graham,松井るり子出版社/メーカー: ほるぷ出版発売日: 1995…

 レベッカ・ブラウン 『体の贈り物』 新潮社(単行本はマガジンハウス)

末期のエイズ患者のホームケア・ワーカーである女性たちと、その患者との交流を淡々と描いた連作集。たとえば朝、窓を開けて思いがけず天気がよかったとか、そういうささやかな歓びのある作品だ。HIV感染者は日本でも増えているし、もっと身近なものとして捉…

 『世界むかし話 ロシア』

わたしの感覚からすると、結構こわい。カエル姫というのが、わたしの探していた「チワンのにしき・太陽のむすめ」ではないかと思うのだけど、どうかな。蛙の姿の女の子を守ってあげる王子様、という図がステキ。というか、カエルの皮を脱いで置いておくとい…

 佐藤多佳子 『黄色い目の魚』 新潮社

渚ボーイ・多恵子ガールみたい。木島くんと村田さんのお互いの視点からの物語。絵を描く人間と絵を愛する人間が出会うというのが奇跡だ。木島くんかわいいなあ。でもテッセイの存在が一番よかった。子供たちの一人称で書かれているもんで、文調は乱暴だが心…

 チベット砂曼荼羅の世界

ダライ・ラマ法王の古希のお祝いとして、インド・ダラムサラのギュト寺院から僧侶4名を招き、9日間をかけて制作、その過程を特別公開したもの。砂曼荼羅というのは、完成した瞬間に壊してしまうもので、それ自体が修行である。わたしが見てきた日のトークイ…

 絲山秋子

『逃亡くそたわけ』 中央公論社 精神病院から脱走し、九州を半周するロードノベル。たぶん鬱とか躁とか大変なんだろうけど悲壮感がないのがいい。やっぱり生きて行かなくちゃいけないわけだし。もし九州に行ったら”いきなり団子”食べるんだろうな。絲山本の…

 『動物会議』 エーリヒ・ケストナー作、ウァルター・トリアー絵、池田香代子訳 岩波書店

タイトルとボリュームに惹かれて借りてきた本。絵は結構好き(象の目が充血しているのが気になるが…)。戦争をする人間たちに怒った動物が、人間の子供たちの未来のために会議を開くという話。主旨は素晴らしいが、結果としてはこれは間違っていると思う(正…

 『Little tern(リトル・ターン)』 ブルック・ニューマン作、五木寛之訳、リサ・ダークス絵 集英社

水彩の絵がきれい。プロローグの後の”リトル ターンがみずから語った物語”という言い回しがアイヌの物語と同じだなあと思った。内容の良し悪しはともかく、面白みには欠けるような。これって時間のあるときにゆっくりじっくりことこと大らかに読まないと意味…

 多和田葉子

『容疑者の夜行列車』 青土社 主語が二人称なので、”あなた”とは一体何者なんだろうと気になるのだが、読み進めて行くとおぼろげに見えてくる。ある歌人の方が、最近のひと(若手の歌人)は「自分」→「宇宙」という視点は持っているのだけど、間の「世界」が…

 リスト 面白かった本 

※ハテナをはじめてから読んだ本(再読含む)です。 闇の左手 (ハヤカワ文庫 SF (252))/ ジェーン・エア (上) (新潮文庫)/ 自負と偏見 (新潮文庫)/ 朝びらき丸東の海へ―ナルニア国ものがたり〈3〉 (岩波少年文庫)/ 赤毛のアン―赤毛のアン・シリーズ〈1〉 …

 中島たい子 『漢方小説』 集英社

最近の純文の若い人は文章が上手いなと感心していたのだけど、このひとは下手。この内容なら半分で書けって思う。エッセイ風で等身大、良くも悪くも。わたしのテーマって…と思いつつその素直さが憎めない。作者はたぶん可愛いひとなんだろうな。