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日日平安

再開しました

 小野不由美 『図南の翼 十二国記』 講談社

これだけ読み残していたので、ようやくすっきり。ここで改めて思ったのは、十二国記というのはもう世界設定がべらぼうに面白いのだけど、物語のなかで一貫しているのは、「いい王とは?」というのをずっと問答している。ひいては人間(それぞれ個々人が)が…

 宮部みゆき 『火車』 新潮社

再読。未だわたしの中では宮部みゆき一番の傑作。カードも怖いが、ここに出てくる女性たちの年代になってみると、彼女たちの孤独や不安がより浮かび上がってくるように思う。それにしても無駄がほとんどなくて、一歩引いてみれば、自分も駒のひとつとしてこ…

 スーザン・ソンタグ 『良心の領界』 NTT出版

なんか、間違えて消してました…。 物事の大小に関わらず、良心を守り抜くには勇気がいる。そして知識と想像力も必要。彼女の常に物事に丁寧に対峙する姿勢に打たれた。序文はたいへんわかりやすく、かつ素晴らしい。これだけだけでも読む価値がある。 以下引…

 『タイタンの妖女』 カート・ヴァネガット・ジュニア

個々の存在は連綿と続く何かの一部であり、知らないうちに利用されていることもある。気づいたときは恐ろく、虚しくなるものだと思ったけれど、そうじゃないらしい。ものすごく悲惨でものすごく幸福な物語だった。

 『ルチアさん』

出久根育の絵が恐いのだが、中身はふつうに優しい物語だった。なぜそんなにギャップがあるのかは不明。ルチアさん作者: 高楼方子,出久根育出版社/メーカー: フレーベル館発売日: 2003/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 17回この商品を含むブログ (12件)…

 『ベルカ、吠えないのか?』 古川日出男 文藝春秋

戦争の世紀を犬の視点で切り取って断片的に重ねていくという、実験的な小説。犬や登場人物の行動を作者が好き勝手に解説しているような感じ。ひとことでいうと、へんな小説だ。

 『ダ・ヴィンチ・コード』

キリスト教圏の人間でないと、すごさが実感としてわかりずらい「謎」ではある。どうでもいいよ。ストーリーテリングが面白いのだろう。いくつか観に行きたくなった絵や場所などはあるのだけど、もうちょっと特にダ・ヴィンチについての記述があるとよかった…

 『銀河ヒッチハイク・ガイド』

冒頭からオチまで、心鷲掴みにされっぱなし。「パニくるな!」とりあえず覚えておきたい台詞だ。銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)作者: ダグラス・アダムス,安原和見出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2005/09/03メディア: 文庫購入: 39人 クリック:…

 畠中恵 「しゃばけ」 新潮社

とにかく柴田ゆうの挿絵が愛らしくて、それによって面白さ30%ぐらいUPしていると思う。絵がやばい。物語は文章もストーリーもほんとたいしたことないんだけど(失敬!)、この邪気のない可愛らしさとおおらかさになんだかほわわーんとあてられた。いや面白…

 初めてのお料理

書店くじに当たった(100円)ので、それで買ってきました。基本がだいじよね。。おかっぱの眼鏡っこが「おめでとうございます!」とにこやかに笑ってくれて悩殺されました(笑)。奈緒ちゃんも眼鏡で仕事するとよいよ!

 J.K.ローリング 『ハリーポッターと炎のゴブレット』 静山社 訳:松岡佑子

本筋以外の味付けの部分が好き。映画ではカットされていたけれど、屋敷しもべたちのエピソードは楽しかった。ふたを開けてみればおとなたちの思惑に振り回されているだけの対抗試合だったのがたいへんむなしい。この物語をどうやって楽しむかは、おとなとし…

 ジュール・ヴェルヌ 『海底二万里』 集英社 江口清訳

べらぼうに面白かった! 海やキャラクタの生き生きとした描写にしびれた。 ※リストに追加しました。 http://d.hatena.ne.jp/kikioni/20050619

 長嶋有 『泣かない女はいない』 河出書房新社

収録作品:泣かない女はいない/センスなし/二人のデート 表題作はわりと好き。長嶋氏の描く場所がいつも自分の行動範囲と妙に被っていて、今回は特に自分と似た感じの主人公だったので、知らず寄り添う感じ。同居している彼が振り返って笑うシーンがよかっ…

 メモ 村上春樹

 小川洋子 『薬指の標本』 新潮社

収録作品:薬指の標本/六角形の部屋 表紙きれいー。フランスでオルガ主演で映画化されるそうだけど、むつかしそうだな。これはとにかくエロい。密室に香水が充満しているようなイメージ。匂い立つ色気、みたいな。モチーフが素敵すぎてやっぱり酔った。 ←今…

 安房直子 『遠い野ばらの村』 筑摩書房 ISBN:4480024794

収録作品:遠い野ばらの村/初雪のふる日/ひぐれのお客/海の館のひらめ/ふしぎなシャベル/猫の結婚式/秘密の発電所/野の果ての国/エプロンをかけためんどりこの文庫が出ているのを知らなかったので、偶然見つけて感激。安房さんの本のなかに出てくる…

 『世にも美しい数学入門』 小川洋子・藤原正彦 筑摩書房

詩や神様についてのお話みたいだった。数学が苦手なだけに、この世の不思議を一心に背負った素晴らしい学問のように思えてきた。数学とは何かってことがちょっとわかって感動。ううむ、勉強しなおそうかなあ。。 ※リストに追加しちゃえー。 http://d.hatena.…

 井伏鱒二 『山椒魚』 岩波書店 ISBN:4003107713

収録作品:山椒魚/鯉/屋根の上のサワン/休憩時間/夜ふけと梅の花/丹下氏邸/「槌ツァ」と「九郎治ツァン」は…/へんろう宿/遥拝隊長 彼の詩のファンではあったが、小説は初読み。彼の持ち前の明るさとユーモア、センチメンタルな部分や優しさ、そんな…

 村上春樹 『羊をめぐる冒険』 講談社

再読。これにて青春三部作完了。回りくどい言質に”僕”の首をときどき絞めたくなるのはおいといて、とにかく哀しい話である。鼠の”弱さ”、素敵な耳の彼女の特別な世界、そういったものが失われた後、”我々”はどうしたらいいんだろうか。読み終えてゆるやかに…

 しげかねとおる 『爆発するゴロー』 1000番出版

収められている詩のほとんどを朗読で聞いたことがあって、映画のような絵的な部分に面白みを感じていたのだけど、文字で読むと失恋ソングを一時間聴き続けたみたいな気分になった。けっこう哀しいのだ。冒頭のブラック・バニー・Kの気持ちのいい飛翔っぷり…

 キム・サンホン 『チャングム』 早川書房

チャングムというひとはたいへんなキャリアウーマンなのである。ドラマの原作のつもりで読んだのに、チャングムと中宗(王様)以外は誰も出てこなかった。。で、これを読むまで緑服の彼らが宦官だということを失念していたのだが、そういう意味でも小説の方…

 宮澤賢治 『銀河鉄道の夜』 角川書店

収録作品:おきなぐさ/双子の星/貝の火/よだかの星/四又の百合/ひかりの素足/十力の金剛石/銀河鉄道の夜 再読。うちにあったのはこれ。今回特に読み込んだのは「双子の星」と「貝の火」。ポウセ童子とチュンセ童子は澁澤龍彦の「唐草物語」に出てきた…

 C.S.ルイス 『ライオンと魔女 ナルニア国物語』 岩波書店

アイルランドやイギリスのあたりの精霊たちの配し方がさりげなくて素敵だった。エドマンドという少年が、4人もいる兄妹のなかでひとりだけずば抜けてお馬鹿でしょうもないのには、妙に哀れみを誘われた。ライオンと魔女が皆に背を向けて相談している挿絵がツ…

 エィミ・タン 『ジョイ・ラック・クラブ』 ソニー・マガジンズ

映画の方がわりと有名な気もするけれど、小説もすばらしい。4組のアメリカに渡った母と在米二世として生まれた娘たちの、ささやかな断絶と繋がりが切ない。ジョイ・ラックとは「喜福」のことで、この漢字を辛うじて理解できる日本人でよかった。 ※リストに追…

 関川夏央 『ソウルの練習問題―異文化への透視ノート』 新潮社

1983年に出たものなので、情報としては古い。ただ本質的なものは変わらないし、異文化との出会いを意識して書かれているので読み応えはある。もちろん意図的なものではないのだけど2005年の韓国-日本事情と照らし合わせて読めてしまうのが本書のもっとも面白…

 荻原規子 勾玉三部作(20040826)

『薄紅天女』 徳間書店 三部作なので新鮮味が失われてしまうのは仕方ないところ。でもなんというか、子どもが同じ絵本を何度も読んでーというような、物語に乗っかっていく楽しさがある。 『白鳥異伝』 徳間書店 三作目と読む順番を間違えたので、やたら勾玉…

 荻原規子 『西の善き魔女』 中央公論新社

荻原規子の物語は男の子を救うために戦う女の子の物語である。普通の少女のための物語と完全に立場が逆転しているのが面白い。えてして少女たちは思い込みが激しすぎるのだが、そのくらいでなければ開けない道もあるのかも。この本に関して言えば、ファンタ…

 福田利子 『吉原はこんな所でございました―廓の女たちの昭和史』 社会思想社

舞台は吉原、今の浅草というひとつのちいさな町だけど、これを読むと、ここ100年くらいでいかに日本が(価値観も含め)変化してきたかがよくわかる。国も人も形があるようでいて、かなり曖昧なものである。語り口は柔らかいが、自分だったら生き抜けたかどう…

 綿矢りさ 『インストール』 河出書房新社

いろいろ想像していたよりさっぱりあっさりとした感じ。そんだけか、とも思うのだけど、このくらいがいいんだろう。綿矢さん、まわりのクラスメートがバカに見えてたんだろうなあ。あくまで優等生から見た感じの冷めた視線がいい。

 東野圭吾 『鳥人計画』 角川書店

犯人の一番の失敗は殺す相手を間違えたことだな。やつを殺してあれを壊しておけばあとくされなかったんじゃ。。解説にもあったけれど、被害者がいちばん魅力的、というのが特に面白いところだ。スキージャンプの話。無理を承知でいうならば、百メートル以上…

 向田邦子 『無名仮名人名簿』 文芸春秋

ううむ、なんだか自分と似てると思うそれはすなわち行き遅れる可能性大なわけだけれども、それでも大いに励まされた。硬質で頑な、でもそれをきちんと受け入れる度量があって、すてきなひとだと思う。こういう大人になりたいなあ。

 杉浦日向子 『江戸へようこそ』 筑摩書房

江戸というのはテレビなんかで見ていて、あれはもう一種のファンタジーなのであった。いまわたしが踏みしめている東京が「江戸」の延長上にあるってことを実感として気づかせてくれたありがたい本です。文化論ではなく精神論に近いかも。 ※ご冥福をお祈りい…

 杉浦日向子 『大江戸観光』 ちくま書房

前回読んだ「江戸へようこそ」とはまた違って、こちらは日向子さん自身のエッセイ的な文章を集めた本である。最後に十数年後のことをいろいろ予想していたのがちと痛い。結婚しているかなあって、そのときは荒俣氏と(まさか!)するとは思っていなかっただ…

 ピーター・トレイメン 『アイルランド幻想』 光文社 甲斐万里江訳

どことなくポーのような雰囲気が。小説としてどうかっていうより、アイルランドの暗部の歴史を語る(←ここが重要!)ゴシックホラーとして味わい深いものだった。

 いしいしんじ 『ぶらんこ乗り』 新潮社

雪の結晶のようなものがたり。 ※リストに追加しました http://d.hatena.ne.jp/kikioni/20050619

 安野モヨコ 『美人画報』 講談社

あー、こういう本だったのか…。雑誌での連載コラムを書籍化したものをさらに文庫化したものなので、ちょっと古いか。文庫版あとがきで安野さんがちゃんと大人になっているのが面白い。 ※これ読みたい方がいたら差し上げます。

 村上春樹 『1973年のピンボール』 講談社

3部作の2作目という感じはする。飛ぶための助走ともいえるような。70年代という時代の空気感にどれだけ実感として迫れるかで、作品への寄り添い方が変わるような気がする。

 モブ・ノリオ 『介護入門』 文芸春秋

いまどきめずらしく、だからこそ新鮮な怒れる小説である。最初の一ページで芥川賞に納得。うっかり共感しそうになってしまうのだけど、わたしは彼の憎む親戚一同にもなりうるのだから、作品への態度は保留にしておきたい。でも介護したくなければしないとい…

 滝本竜彦 『NHKへようこそ!』 角川書店

卑下もテンション高くこなせばいいんじゃないか(ただし自分の部屋でお願いします)と、なんか、悩んでいるひとのヒントになるといいね。。ひきこもり佐藤くん、ダメだダメだと言っているわりにとっても楽しげだ。この小説の面白いところは、ボーイミーツガ…

 秋山瑞人 『イリヤの空 UFOの夏 その1』 メディアワークス

夏といえばホラーなんだけど、実はSFもいい。ところでこれはプロローグだし、まだ面白いのかわからない。宇宙人と戦っているようだけど、まだ何も出てこない。。

 ゴーゴリ 『外套・鼻』 岩波書店

ドストエフスキーが「われわれは皆ゴーゴリの『外套』の中から生まれたのだ!」と言っている。それで解説を読むと難しげなんだが、気にせず読む。かなり面白い。ひとくちに不条理といってもユーモアがあるので、とほほな話という感じ。それにしても主人公が…

 宇野千代 『行動することが生きることである―生き方についての343の知恵』

つらつらと書いている感じがいい。可愛いひとだなと思う。考え方はわたしとかなり似ているので、ちょっと気恥ずかしかった(笑)。なにが似ているって、自分を褒める癖があるところが…。

 レベッカ・ブラウン 『体の贈り物』 新潮社(単行本はマガジンハウス)

末期のエイズ患者のホームケア・ワーカーである女性たちと、その患者との交流を淡々と描いた連作集。たとえば朝、窓を開けて思いがけず天気がよかったとか、そういうささやかな歓びのある作品だ。HIV感染者は日本でも増えているし、もっと身近なものとして捉…

 『世界むかし話 ロシア』

わたしの感覚からすると、結構こわい。カエル姫というのが、わたしの探していた「チワンのにしき・太陽のむすめ」ではないかと思うのだけど、どうかな。蛙の姿の女の子を守ってあげる王子様、という図がステキ。というか、カエルの皮を脱いで置いておくとい…

 佐藤多佳子 『黄色い目の魚』 新潮社

渚ボーイ・多恵子ガールみたい。木島くんと村田さんのお互いの視点からの物語。絵を描く人間と絵を愛する人間が出会うというのが奇跡だ。木島くんかわいいなあ。でもテッセイの存在が一番よかった。子供たちの一人称で書かれているもんで、文調は乱暴だが心…

 絲山秋子

『逃亡くそたわけ』 中央公論社 精神病院から脱走し、九州を半周するロードノベル。たぶん鬱とか躁とか大変なんだろうけど悲壮感がないのがいい。やっぱり生きて行かなくちゃいけないわけだし。もし九州に行ったら”いきなり団子”食べるんだろうな。絲山本の…

 『Little tern(リトル・ターン)』 ブルック・ニューマン作、五木寛之訳、リサ・ダークス絵 集英社

水彩の絵がきれい。プロローグの後の”リトル ターンがみずから語った物語”という言い回しがアイヌの物語と同じだなあと思った。内容の良し悪しはともかく、面白みには欠けるような。これって時間のあるときにゆっくりじっくりことこと大らかに読まないと意味…

 多和田葉子

『容疑者の夜行列車』 青土社 主語が二人称なので、”あなた”とは一体何者なんだろうと気になるのだが、読み進めて行くとおぼろげに見えてくる。ある歌人の方が、最近のひと(若手の歌人)は「自分」→「宇宙」という視点は持っているのだけど、間の「世界」が…

 リスト 面白かった本 

※ハテナをはじめてから読んだ本(再読含む)です。 闇の左手 (ハヤカワ文庫 SF (252))/ ジェーン・エア (上) (新潮文庫)/ 自負と偏見 (新潮文庫)/ 朝びらき丸東の海へ―ナルニア国ものがたり〈3〉 (岩波少年文庫)/ 赤毛のアン―赤毛のアン・シリーズ〈1〉 …

 中島たい子 『漢方小説』 集英社

最近の純文の若い人は文章が上手いなと感心していたのだけど、このひとは下手。この内容なら半分で書けって思う。エッセイ風で等身大、良くも悪くも。わたしのテーマって…と思いつつその素直さが憎めない。作者はたぶん可愛いひとなんだろうな。